各々の作戦会議

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各々の作戦会議

――――場所は第一王子の居室。 「此度は本当に稀にみる大人数でしたね、ルド兄上」 そう言ったのは、第三王子のマークだ。 国王がフォールンの当たり年に向けて頑張った成果は子供11人。内4人が王女である。その王女達も他国に嫁ぎ、此処には居ない。 第一王子と第三王女は、王妃の子。 後は、全て側室が生んだ子供だ。 仲はそれほど悪くはないが、確執が無いというだけで一緒に行動するような仲はなかった。 よってこんな事がない限りは、第一王子の居室に入る事はない。 そして、此処に集まったのは第四王子まで。 後の3人は、作戦会議以前のため呼ばれなかった。 「お前達を此処に呼んだのは、私達は手を組んで乙女達を懐柔した方がいいと思ったからだ」 「手を組むですか?」 「そうだ。お前達、時にアピールは嫌味を伴うと知っているか?」 「アピールが嫌味になる?では兄上は、やらない方がいいと?」 解せなさそうに聞いてきたのは第二王子のローランだ。 「やらないよりは、やった方がいい。ただ、度を過ぎると自身のそのアピールが自信過剰にみられ、挙句嫌味になるという事だ」 「なるほど・・・では、どうするのですか?」 「自分でアピールせず、兄弟達がそのパートナーに好感度を上げる事を吹き込むんだ」 「なるほど。それなら嫌味にもならないわけか……」 そこにいた全員が納得し、第一王子のこの案に乗った。 そして、順々に情報公開となった。
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