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雲1つない青空、普段より高めの気温に紫外線が照り付ける晴れの日。
そんな今日は運動会。生徒たちは暑い熱気の中、それに負けないぐらいの熱量で、さながら紅白歌合戦のようだ。まあ歌わないけど。
そんな青春キッズたちを支えるのが先生方で、私のような養護教諭はケガや夏バテ、はたまた熱中症で倒れる生徒が万が一出てきたときに備えて、救護テントと保健室にそれぞれ1名ずつ配置している。
この高校では養護教諭は私ともう一人の男の先生、名護先生なのだけど、
「自分、応援もしてあげたいので!」
という生徒さながらの熱量(?)で、救護テントの方には名護先生自ら対応してくれている。
熱血教師名護、意外にも女の子人気が高いのはここだけの話である。
幸いにも、先生方のスケジュール管理や生徒たちへの体調管理の徹底、生徒たちの自律ができているからか、見学者を除いて救護テントの段階であまり使っていないらしい。
おかげで空調のきいた室内でゆっくり座って待機ができているのだけど、なんだか寂しい気もしている。校庭とは少し離れた位置にある保健室からは競技が見えることはないため、放送の音で判断するしかないのだ。
夏バテの一人や二人ぐらい出てきても、なんて、そんな風によくないことを考えつつなんとなく、窓と風に邪魔されて聞こえにくい放送の音に耳を傾けて、今は赤が勝っているなぁなんてウトウトしながら思っていると、ドンドンと窓を叩くような音がする。
気になって窓を見ると・・・・・・
「きゃあぁ!?」
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