黒髪

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 中に入り席を探したが、空いているところはない。  後ろを向きつり革を探したが、それも空いていない。 『今日はついていない』  僕は少しばかりの不遇を噛み締めた。  次の瞬間、僕はギョッとする。  長く真っ直ぐな黒髪が僕の目の前にある。  とても綺麗な少し藍みがかった黒髪だ。  その女性は、前の人とお喋りをしている。  その会話に興味はないが、彼女に憑いているものに目を疑ってしまった。
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