恋煩い

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12時シンデレラも帰ってしまう真夜中。 何度も睦み合って里佳は隣で眠る恋人を見ていた。 長いまつげにすっと伸びた鼻筋。 キスするまで知らなかった、やわらかな唇。 愛おしそうに見つめた後で何となく目がさえてしまい、 裸にバスローブだけを羽織り、部屋の窓にもたれかかる。 海沿いのホテルを予約してくれたのは、悟だ。 何もかも任せきりで申し訳ないと思っていたら、 「全然任せられて超嬉しいよ」なんて言われてしまった。 窓の外は、暗くひたすら海が続いている。 もう少ししたらベッドに戻ろうと考えていると いつの間に起きてきたのか背後から腕が伸びてきた。 「いないと思ったら…俺、寂しいじゃん。何してんの?」 包み込まれてぎゅっと抱きしめられる。 「ごめん。目がさえちゃって海、見てたの」 「ふーん。じゃあさ、眠れるようなことしてみる?」 「え? …んッ…」 私の返事も待たずに悪戯っぽく言った後、手が顎に添えられそのまま口づけられる。 触れるだけのキスを飛ばして、いきなり悦楽を引き出すような濃厚なキス。 「…。ん、…ぁ…」 されるがままになっていると立っていられなくなってきた。 「おっと。…ん?」 よろけかけたのを支えてもらい、見上げると彼が何か気づいた。 「随分エロイ格好してるね。裸にバスローブとか」 「…ち、違っ…」 「いいよ。俺は嫌いじゃない。でもそんな格好をするのは、俺の前だけにしてね」 おいで…と囁かれてしがみつくように膝に座らせられると下肢の茂みに手が触れた。 「あッ、…やっ…」 「…もう濡れてきた」 「だ、だってさっきもあんなに…」 「あんなに何?」 言いながら胸の先端を口に含まれてしまうともうダメで。 悟は、里佳の反応を楽しみながら胸と茂みの奥を愛撫してくる。 身体がとけて流れていくような快感をなおも煽って、悟の手は、全身を撫で這い回り、 ぐちゅりと指を差し入れられたナカからさらにどろりと蜜をあふれさせ、悟を求めてひくつく。 「悟く、ん… もぅ…」 ねだる言葉がこぼれる頃には理性などない。 彼がほしい。むちゃくちゃに愛されたい。 「俺の、ほしいの?」 こくこくと頷くと悟も限界だったのか一気に欲を突き入れられた。 「あ、ああっ…あ、…ぁん…」 突き入れられた欲望に身体が応えて甘い声がこぼれ落ちる。 身体だけじゃない。 心の襞までしっとり包み込んで。 抱かれているような感覚に陥り… 少しかすれた甘いその声に闇夜を映したような漆黒の瞳に色濃く欲情がにじむ。 ぐちゅぐちゅと擦れあう場所からこぼれる音がいやらしく静寂な部屋にこだまする。 打ちつけられるように与えられる快感に無意識に腰が引けて、 里佳のその細い腰を引き寄せ、なおも奥まで突き入れ、かき乱し、攻め立てられる。 「ぁあ、…あ、…あっ、ぁああ!!」 ひと際最奥を突き上げられた刹那。 一体となった身体が打ち震え、二人の目の前が白く染まった。
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