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―――私の恋は、秋までもたない。
突然降った雨や、まるで夏の花火のように一瞬…。
恋人との交際が夏を越すことはない。
私の仕事は、9月決算にかけ、7月から忙しく佳境に入っていく。
最初は、忙しくて会えない事を許してくれる男も、ふと我に返る。
いくら好きでも、いつまでも抱けない女と恋人でいる意味はない。
『会うこともできないのに、つきあってる意味があるか?』
そう聞かれても私は、何も答えられなかった。
きっと今も答えられない…。
だって仕事と恋愛は、別次元のことだもの。
仕事と恋人がどっちが大切かなんて比べる物でもないと思ってる。
会えなくて寂しいのは、私も同じなのに…。
会いたい時に、会えないのが心苦しい。
帰りを待たせてしまうのが申し訳ない。
きっといろんな物思いをさせてしまってる…。
それなのに、彼は笑って私を迎えてくれる。
それは、…いつまで?
不安が囁くの。
いつまで私の隣にいてくれる…?
いつまで私を許して待っててくれる?
抱き合うことができなくても、
会った瞬間に私が眠りに落ちても…。
仕事にかまけて自分の身なりも構えないことに焦る。
だって私は、年上なのだから。
彼と同じ歳の、女の子とは… 違うわ。
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