= 春*はじまらないものがたり =

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= 春*はじまらないものがたり =

 仙人のように掴めない少女と  枝を伸ばす人ならざる僕の  幼い頃から何一つ変われない  山笑い花散る頃の物語 【あらすじ】  主人公は、ニュータウンに立つプラタナスの街路樹。  人間と話すことができる彼の、唯一の話し相手は、仙人のように飄々とした女子高校生の「カクレ」一人だった。  家族のように愛し、女性として慕うカクレとの日々は、これからも変わらず続いていくと思っていたが、ある日カクレが突然「彼氏ができた」と言い出して── 【裏話】  春の章の舞台は2010年代前半、山の手に位置する架空のニュータウンです。  プラタナス。  (ボタン)の木。  鈴懸(すずかけ)篠懸(すずかけ))の木。  様々な呼び名がある可愛らしい街路樹を主人公にした、去る春のお話でした。 「人外との恋愛」  をうたっているので、神様や妖怪などとの恋愛を期待して来た方が、「いや木かい!」と失望していないことを祈るばかりです。  元々は高校文芸部時代、「鈴懸の木物語」として部誌に載せた、一つの独立短編でした。
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