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嫉妬
テレビの中で、エヴァンが爽やかに笑っている。最近放送されているシャンプーのCMだ。汐月はぼんやりとそれを眺める。
シャワーを浴びるエヴァンが映る。彼の肌を滑る水を追うようにカメラが動き、徐々に下がっていく。
割れた腹筋、引き締まった身体を、こんなふうになれたらいいなあ、と眺めていると、突然目を塞がれた。
「見るな」
ソファの背もたれの後ろから、リアムの声がする。
「シヅキには刺激が強すぎる」
「リアムは俺を何歳だと思ってるの?」
苦笑してリアムの腕に触れた。
テレビからの音が変わり、リアムの腕が外れる。CMは終わっていた。
リアムが身をかがめる。彼の腕が外れたかわりに、今度は唇を塞がれた。
「ん……」
甘えるように何度も吸われて、汐月はリアムの頭に手をやる。柔らかな髪を混ぜるように撫でた。
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