再会と事件

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どうすれば良いんだ! この状況を、どう切り抜ける! あの速さのフレナにはもっと莫大な強さの攻撃技が必用だ。 もうこれしか無いのか、、、、よし! アルカやカグヤさんを守れるのなら、俺はどうなったって良い! 「この世界の全魔力よ。 我はこの世界に君臨する時の神そして魔王だ。 今、我と仲間が危機的状態なのだ。 我の危機に協力してくれる魔力よ。 我のもとに集まり、我の敵を撃破せよ。 何にも負けぬこの魔力を解き放つ。 例え、この身が滅び死のうとも。 守りたいその一心で俺はこの魔法を我が敵に放つ。 ブレイク・バースト」 俺がこの呪文を唱えると魔方陣がフレナの周りに何百個も現れ、フレナを魔方陣が囲んだ。 そして魔方陣に囲まれたフレナはどうにかして脱出しようとしていたが、もうおそかった。 俺が出した無数の魔方陣は急に電磁波を流し始め、終わったかと思うと魔方陣の中はどんちゃん騒ぎだった。 正直言うと、俺にも何が起きているのか分からないのだ。 そして無数の魔方陣はだんだん消えていって、フレナは天高くに吹っ飛ばされた。 俺はそれを見逃さず、天高く飛んでいきフレナを抱え見事に着地した。 「おいフレナ!フレナ、しっかりしろ!」 「フレナお姉ちゃん!」 「フレナちゃん!」  俺とアルカとカグヤさんは心配そうにフレナに問いかけたが、反応がない。 俺はどうにかしようと必死になったが、俺には何も出来る事がない。 だが、一つだけ魔王の気力を感じた。 それはフレナから出ていた物だ。 俺はその気力をおもいっきり引っこ抜いた。 その気力は確かに強いものだった。 そしてその気力はカグヤさんの中に入ってしまったのだ。 「う、、う、うぁぁぁあ!!」 「カグヤさん!!!」 「カグヤお姉ちゃん!!」 カグヤさんは苦しそうにしている。 俺はそれをただ見ることしか出来なかった。  カグヤさんは次第にフレナの時のようになり、体が魔王の体になってしまった。   そしてカグヤさんは俺達にこう言った。 「何だろうかこの気分は、強くなったようだ。良いぞ、、、手始めにタケル・シルファー、お前を殺す。」 カグヤさんは本気の表情で俺達に言った。 その目には俺しか写っていなかった。 俺を確実に殺す方法を今考えてると言う状況だろうか、、いつ殺しに来てもおかしくはない。 どうにかしてアルカを連れて逃げないと、、そうだ!ムーヴを使えば良いんだ! でもムーヴは使用制限2日に1回だからな。 ムーヴは使えないし、他の方法はカグヤさんを絶対に傷つけてしまう物だけだ。 どうすれば良いんだ! もう時間は無い。 この時、最初に魔王が来たときのように雷が落ち、こっちに魔王の魔力が5体分位近づいて来る。 魔王が5体だとすると、俺は勝てないと思う。 俺が考えているうちに、魔王の魔力はこっちに来てしまった。 なっ! 「嘘だろ、、、まさか魔王軍か?」 「タケルさん。多分ですが、あれは魔王軍で間違えないと思われます。教科書の写真とそっくりです。」 へー、今の魔法学校の教科書すげぇ。 いやいやいや、そんなこと言ってる場合じゃなかった。 そして魔王軍はカグヤさんの方へ行き、話始めた。 「新たな魔王はこの娘か?」 「そうです、我が主。」 「この娘、何か弱そうですね。」 「強さはどうにかなりますよ。」 「そうですかねー、全ては気合いだと思いますよ。」 5体の魔王の声が王都に響く。 なんとも不気味な声だったのだろう。 俺はよく聞こえなかったが、不気味だったのは分かった。 そして魔王軍は仕事が早く、カグヤさんを取り囲み、一瞬にして消えてしまった。 「カグヤさぁぁぁん!!!」 俺は大声で叫んだ。 魔王の声よりも王都に響くように大声で叫んだ。 カグヤさんはどうなってしまったのだろう。 また、何も守れなかった。 どうして、いつも誰一人ですら守れないんだ! 俺は何もかもが嫌になった。 ここに残ったのは、フレナの体と一つの紙。 紙にはこう書いてあった。 [カグヤとやらを助けたいなら自力で魔王を止めさせるのだ。   第一の魔王アルデバル・バダル] アルデバル・バダル?とりあえず、アルデバルのところに向かえば良いんだな。 俺のカグヤさん救出する為の冒険は始まった。
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