ピラミッド~4.8改

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ここで、石材の仕上げの前の、石材の切り出しに戻ると、これについては、あまり時間はかからなかったと思われる。 石材の切り出しには、楔を使っていたと思う。直角に楔を入れて割るわけだが、石灰岩は、ほとんど、楔を入れた方向に割れると思う。 堆積岩は、圧力がかかって、つぶれて、均一になっていくからだ。火成岩の場合は、たぶん難しい。一鑿一鑿削らなければならないだろう。 石灰岩の場合、一鑿で、たくさん削れる。だから、鑿で削り出すとしても、あまり時間はかからないだろう。 石材の仕上げに戻ると、石材は、直方体だ。6面ある。以前、( つまり、現存最大のピラミッド以前 ) は、6面のすべてを仕上げていたが、 このピラミッドの頃から、( ピラミッドに積むときの ) 、天と底の2面だけを仕上げるようになった。 ピラミッドの一段一段の高さを揃えてだ。横幅や奥行の幅は適当だ。 作業のし易さを考えると、人間が岩の上方に位置して削るのが楽だと思うが、時間を考えると、2面、同時刻に削るほうが速いと思う。 だから、ピラミッドに積むときの天と底を、横になるように置いて、削ったと思われる。 石材を切り出したときに、最も平らになった面を下にして置く。あとの3面は適当に仕上げても大丈夫だ。 削る作業の、作業のし易さを考えると、人数は多くない。他の人間の手や腕や肩が邪魔だからだ。そうすると、削る作業に携わる人間は、1個の石材に対して、多くて10人ぐらいだと思う。 約1000㎠の面に対して、10分ぐらいかかるとして、一人で一面を削るのに3時間以上、3時間から4時間かかると思われる。 とすると、天と底になる面に対しては、2人がかりか、それ以上の人数で削ったかもしれない。 とにかく、1チームが1日に2個の石材を仕上げるのは、不可能ではない。 補足すると、まず、石材を切り出したときに、最も平らになった面を上にして、きれいに仕上げてから、その面を下にして、橇付きのパレットの上に載せた。と、思われる。 そして横の2面を、実際にピラミッドに積むときの天と底になるように仕上げ、上になった面と残った横の3面を適当に削る。 このパレットというのは、フォークリフト用のパレットで考えた。フォークリフト用のパレットは、二重底になっている。石材用のパレットも二重底だったかもしれない。 ただ、橇が付いていると、一枚だけのパレットでも、地面との間で空間ができる。だから一枚のパレットかもしれない。 この空間が大事で、ここに木の棒の先を突っ込んで、てこの原理で持ち上げるのだと思う。( もちろん、石材をパレットの上に載せる時も、てこの原理を使っていると思う。ここでは人の手も必要だろうが。 石材と地面が接している場合、地面に穴を掘れば、てこの原理が使えるだろう。) 現存最大のピラミッド以前、つまり、[ ブルーカラーナコス、アーメン・ユーグフリード ]が、主に指揮していた頃は、間隙積みだった。 この頃は、てこの原理を使っていないので、たぶん人の手だけで石材を持ち上げていた。 だから、巨石といっても小さめの巨石か中くらいの巨石を、人の手だけで持ち上げるため、石材の4辺に人間が取り付いて持ち上げていた。 そのため、石材を密着させることは出来なかった。だが、密着させることが出来るようになる。その方法は、さいころ縦回転積みだと思われる。 上になっている面を、縦回転で向こうに送り、既に置いてある石材に密着させる。縦回転をさせるには、1辺にしかパワーを加えられない。 4辺を持って動かしていたものを、1辺しか持てない。と、すると、てこの原理があったとしか思えない。( 石材がずれたら、密着させることは出来ないので、ずれ防止の固定棒のようなものが必要だ。) この、てこの原理を見つけた人間が、[ ジャック ]だ。( [ ジャック ]は、[ 彫刻家ミカエル ]の息子、または弟子だ。
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