日本黄金化計画

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日本黄金化計画

「今の日本、活気がないね」 「うん」 「おれらが生まれる前は、高度成長期だったりバブル景気だったりだけど、こういうのはとっくの昔だ」 「そうだね」 「現在の日本は平和だし、国民は大半が最低限の生活をしてるけど、何というか、人生を楽しんでない」 「マンガやアニメやゲームは世界中に輸出されてる」 「そりゃそうだけど、あんたみたいなフリーターが増えて少子化が進んでるんだろうが」 「ブッ」 「まあおれらは同じ学校出て、おれは社会人、あんたはフリーターか。明暗が分かれたというか。なあこのあとおれんち来いよ。すげえもんがあるんだ。見せてやるよ」 「まあいいけど」 久々に再会した2人は食堂で飲食したあと、出ていった。 「さあここだ、おれの家」 「初めてだな来るの」 「おれ両親とっくに亡くしていて今はおれ1人だけ住んでるんだ」 「すげえな」 「そうだろ、2階建てで庭付きだ」 訪ねてきた方は招かれた部屋でくつろぎ、そのあと住人の案内でついていった。 「見せたいものは庭にあるんだ。ほらこれだ」 「へえ、何これ」 「ずばり言うと、タイムマシンだ」 「え、そんなばかな」 「いや本当だ。この近くに捨てられてたみたいに置かれてたからおれがもらい受けてたんだ。それから色んな時代に行ってみた。休みの日に。ほら中はこうだ」 「へえ~」 現在の科学では実現不可能と思える機械仕掛けを見せてもらい、驚いた。 「それで提案なんだけど」 「え、何」 「お前昔言ってたな。物を何でも金に変えるあの王様を連れてきたら、日本は黄金の国になるって」 「そういや言ってたかな。だけどそんなことしなくても昔の珍しい物を持ち帰って売ったらお金がもうかって今の生活が楽になるし」 「おい、らしくないこと言うな。昔のお前だったら、タイムマシンを金儲けのために使ったらだめだと言うだろ。まあその一方ではよくユニークなアイデアを考え出したりしてたな。だから今回久々に会って協力を求めてきてやったんだぞ」 「だけどその王様、ギリシャ神話に出てくる架空の人物だし」 「いやそれが実は、このタイムマシンのコンピューターを使って調べてみたら、実在してたんだ」 「え、おい本当か」 「ああ。時代と場所もすでに調べてる。それでさっきも言ったけど日本に連れてくるんだ。同じ時代の別の場所に移動させるだけだからタイムマシンを使ったうちには入らないし」 「どういう理屈?」 「昔のお前が言いそうなことだろが。おれ明日休みだし。お前も今仕事してないだろ。今日泊まっていけ。起きたらすぐ実行しよう」 「うーん」 「今の生活改善したいだろ」 「わかったよ」 「よーし。日本黄金化計画、作戦開始」 「起きてから言えば」
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