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Obverse1-1〈マル×ツグサ〉
マル×ツグサ
……クチュ、グチュグチュ
舌が蕾を舐めたり、下の先を固くして入り口を入ったり出たりを繰り返す。
「…んっ、はぁ、はぁ。」
とろっと溢れ出ると愛液とローションが混ざり合って臀部へと線を作って流れていく
突然、ぴとっと柔らかい何かが蕾を包み込むと、暖かい舌らしきものが中へ中へとさっきの悪戯のような前戯とは違った雰囲気で入ってくる。
舌を少し引っ込めたと思ったそのすぐ後、
ズヴッズゥーーーーーーー。
「や、やぁぁぁぁあああああああ。
あぁぁっ。す、吸わないでぇぇぇぇぇ」
美味しくないはずの中から出てくる液体を一心不乱に吸い取り、ピチャピチャ音を出して舐められる。
「や、やらぁぁぁぁぁぁぁ」
何をされているか想像したくない。誰に見られるわけでもないのに顔は真っ赤になり、身体は熱をもつ。
一通り終わると、またローションを注ぎ足され、今度は指が入ってきた。
またあいつだ。何度目からか、番推薦書を読まなくても中に挿れられただけで誰か分かるようになった指を膣が意思に反して締めつける。その指を奥へ奥へと飲み込もうと中がうねり、相手がここにいるわけじゃないのに脚が自然と開いていく。
どこからかひどく甘くて、少しすっぱい匂いが漂ってくる。ラズベリーを砂糖漬けにしたような甘い甘いこの匂い。
相手の名前はマル。情報系の大学に通う21歳のα。顔が整っていて、頭が良く、友人も多く、テニス部ではエースという番推薦書に書かれた情報は完璧に自分の頭の中に入っている。こんなにも欠陥のなさそうな優良物件には申し訳ないが、幾度となく3ヶ月目には番契約はお断りしている。
当たり前だ。こんなド変態を誰が相手にするものか。
番推薦書のマルという人とは別人なのではないかと疑ってしまうほどSexはかなりしつこいし、玩具を片っ端から試してくる。絶対に番契約をしてしまったら最後、アブノーマルなプレイを強要されるに決まってる。だから嫌だ。
普通は番契約を断った後に俺のマルに関する記憶は完全に消されてしまうものだし、診断員の計らいによってその次からは同じ人とお試し期間を持つことはないはずだ。
そう、ないはずなのに、毎回マルの推薦書が届くし、俺のマルに関する記憶は1つも無くなっていない。診断員にせめて記憶を消してくれと頼んでも、消えたとロボットが判断した記憶は消すことはできないと説き伏せられ、なすすべもなく諦めた。
あぁ、こいつがこんなにも変態じゃなければ受け入れられるのに…
中を弄る指は次第に1本から2本、2本から3本へと増えて、クチャクチャとだらしない音を立ててくる。
前立腺の周りを擦ると、時より何かを思い出したかのように奥へと緩急をつけて指の付け根が蕾につくまで差し込まれる
「んっ、……あっっん。ま、まってぇ。やぁっ、お、おくぅっ。」
言葉に出しても相手には伝わらないけれど、言わずに受け入れてはいられない。
その指は毎度消えていく彼の記憶に反して俺の気持ちのいい所を的確に覚えている気しかしない
初めてのお試し期間で壊れ物を扱うかのように、でも好奇心で溢れるように中を冒険していたマルは今ではツグサ自身よりはるかにツグサの求めるところを知った動きをする。
前立腺をもったいぶるように柔らかく柔らかく押されていくと、その指を強く自分の良いところに押しつけたくて思わず腰が浮いてくる。
大量に中へと注がれたローションは溢れ出し、シーツに染みて、てらてらとそこら中を汚していた。
「ん、んんっ。…んあっ、あっ。んやっ」
中を確かめるようにぐるっと指が円を描き、前立腺をまた撫でてから、チュッと音を立てて名残惜しそうに膣から消えていく
「………っ、ん…………ふ。ぁっ…。」
次にきたのは衝撃だった
ズッッッ、ズプッ、ズププッッ、
「ひっ、んアぁぁああああ、むりむりむりむりぃぃ。…っや、やめろってぇぇっ、んんんぁっ」
ツグザの膣へと遠慮なく入ってくるのは太くてしっかりしたディルド。
明らかに太いだけではなく、側面にはポツポツと柔らかく鋭い逆さ棘がある。
おそらく、マルのお気に入りの玩具の1つ。というのも週に1度は必ず使われて、意識を失っている。
逃げようとしても自分の膣は既にマルの手の中にあり、ツグサが蹴ろうともがいた脚は宙を切った。
予想外の太さに入り口が限界まで広がり、その縁をさっきまで中を弄っていた指がなぞる。
「…んんんっぁっ、あっ。やっ。」
マルを殴りやめさせたい気持ちと、自分の中を彼の手で、彼の動かす玩具でもたらされる快感への期待とがぐるぐるしていく
「あっん、ンンっ」
奥に奥にと進む玩具がついに進むのをやめたのは玩具が膣を埋め尽くし、その先が子宮口までたどり着いた時。その瞬間、マルは玩具のスイッチを入れ回転させながらピストンを始めた
「ああああああぁぁぁぁっっ、いたぁぁっ、いんんんぁああああ。やらぁぁっ、んんんんアぁぁぁん。まってぇぇ。マルゥッッッ」
気持ちいいなんてものじゃない。
中をドリルでかき回していくようなひどい痛みと頭がふわふわしてくるような甘い甘い香り。甘美な香りに痛みでさえ絶頂の後押しをする。
最後までなんてとてもじゃないが、付き合えない。
意識の手綱をするすると手から離していった。
ツグサの中から玩具を抜き出した。ぎちぎちに詰まっていた玩具が出されると、入り口はぽっかりと開いたままで、ピンク色の中は所々白濁が混じって誘うようにヒクヒクと動く。
いつまで経っても見飽きないその内側にそっと息を吹きかけるとピクピクする。
開いた内壁をつーっと撫でるが、反応は鈍い。
「はぁ、はぁ、はぁ…。
……ツグサ??とんじゃったの、かな??
気持ちよかったのかな??
ふふっ、この玩具使うといつも以上に甘い香りがする。
ごめんね、休ませたいところだけど、もう少しお借りするね。」
ズズッ、
マルは既に張り詰めた状態の己を容赦なく中へと打ち込んだ。
「……………んっ。」
敏感になった内壁はマルのモノをきゅっと締め付け、奥の方へ向かって緩く腰を動かすとツグサの子宮口がちゅぱちゅぱと鈴口にキスをする。
「ッ…。ツグサッ、ツグサッ。大好き。
…早く会って番にしたいっ。」
3ヶ月して俺はマルに会うことなく診断員を介して断りを申し出た。
マルの元から俺が立ち去ると、俯くマルに縁がなかったということでと肩に手を置く診断員。何度も何度も見てきた番契約を断る時のあいつのひどく悲しんだ顔をもう見たくはない。
何が縁がなかっただ。いつもマルじゃないか。縁なんて可愛いものじゃなくて、身体のどこかとどこかが常にマルと繋がっているとしか思えない。
もし、次もマルなら…。
それは運命なのかもしれない。運命の番ではないけれど、そんなものさえ必要としない繋がりが確かにあるのだから。
マルと番になってやってもいいかもしれない。良くはないが、でもきっと一生俺にはマルしかいない。
前回のお試し期間から半年が過ぎた。おかしい。いつもなら、2ヶ月もしないうちに診断員が番推薦書を持って、そろそろどうですか?とやってくるのに。
どうしてだろう…
もしかして、マルが俺以外の番推薦書を受け取っているのだろうか。
嫌な想像だけが頭の中で膨らんでいく
そうか、マルに番ができたのかもしれない。
いや、そんなことがあるだろうか。俺以外にあいつに合うやつが出てくるのだろうか。マルはその相手にも俺と同じように触れるのだろうか。
ひどくドロドロとした思いが胸の奥からせりあがってくる。
醜い。毎回彼をお断りしているのだから自業自得なのに、彼が自分以外のオナホールを使うなんて…自分以外を番にするなんて…
止めようにも止められないほどの涙が溢れてくる。
「マル…。マル。マル。」
もしかしたら、まだ番契約まで終わっていないかもしれない。お試し期間から3ヶ月がたっていないかもしれない。そんな淡い期待を抱きながらマルの住むマンションへと走った
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピーンポーン
「は、はーーーい!今出まーーーす!」
ガチャ
慌てて出てきたマルはちょっと憔悴していて、髪もボサボサのままだった。
「あの、俺、ツグサっていいます。
俺と運命の番になってください。」
自分でも何を言っているのかよく分からない。ツグサの記憶もきっと無いのに、急にこんなこと言うつもりでもなかったのに、マルを見たら頭で考えるより先に思いが言葉になった。
「……………………え、えっ!?!?!?」
俺はマルに今までのことを全て洗いざらい話した。番推薦書でマルが何度も俺の元に届いたこと。ちょっと(本当はちょっとどころではないが)Sexについていけなくて番契約を断っていたこと。でも、マルが好きだと気がついたこと。
マルは少しずつ少しずつ消された俺に関する記憶を戻していった。
「そうか。ツグサの細かいところまでは思い出せないけど、幸せな3ヶ月間を毎回過ごしてたのは確かだよ。
多分、俺はツグサのこと毎回毎回好きになってた。
……………でも、ごめん。
本当に申し訳ないんだけど、俺はもうツグサとは番にはなれないんだ。」
「…何で???番が他にできたの???今は誰かとお試し期間なの???」
答えなんか聞きたくない。俺とは違ってマルとうまくやっていけた番なんて知りたくない。
…でも俺にもう一度ほんの少しのチャンスがあるなら、それにしがみつきたい。
「いや。その………言いにくいんだけど。
何回も番推薦書で断られて…自分に自信がなくて。勃起不全になってしまっていてっ…。
診断員から当分は無理をするなって…。」
それから数時間後。無事にマルのモノを勃たせた俺はマルとようやく番になった。
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マル…優秀なα。21歳。初めての相手がツグサ。番推薦以外でSexをしないため、毎回気持ち的に童貞。初めて見るアナルに興奮が抑えられず変態を拗らせている。
ツグサ…平凡Ω。19歳。快楽に弱く、ながされやすい。本人は気づいていないが、拒否する動きがマルを余計に煽っているときがある。
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