プロローグ

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 cafe & bar イル・レガーメ  明るく軽快なジャズと珈琲の香りで満たされた室内も、今は徐々に夜のシックな雰囲気に変わりつつある。  鼻孔をくすぐる美味しそうな食事とお酒の香り。照明は暗く落ち着いたものに変わり、BGMもエレガントなジャズピアノに。客層も仕事終わりのカップルやOLで賑わい始めた。  かくゆう私もここでお酒を嗜みながら食事を楽しむのが週末の楽しみだった。隅のレトロなソファに体を預けて、ゆったり、もちろん彼氏と。  なのになんで。 「おっさん、この……何?バジルかかったポテト、美味い。おかわり」 「お願い、マスターの事おっさん呼ばわりしないで」 「なんだよ、欲しいなら食えばいいじゃん。 オバサン」  なんでこんな糞ガキとお茶してるんだろう。
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