Episode2

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「ただいま」 「戸羽、今日遅かったね?」 姉ちゃん。 ごめん、と言いながら靴を脱ぐ。 私はいつものように2階へ行こうとした ・・・一応。 「姉ちゃん」 「んー?」 「あのさ・・・あの、アレ、捨てた・・・?」 アレって?と聞きかえしてくる 「ギター・・・。」 「ふふ、だと思った!」 え? すると姉ちゃんは自分の部屋から私のギターを持ってきた まだ捨ててなかったんだ。よかった 「けど」 「へ」 「こっち、使いなさい」 こっち? 姉ちゃんは1階のリビングから大きな箱を運んできて、私に渡してきた これって・・・まさか 「ギター!それもラウンドショルダー。どうしたのこれ、お金とか・・・」 なで肩の私にすごく合っていて、これはとても人気でそして値段もそこそこ の高値なのだ 「どうしたの、これ。」 「私ってあんま物欲なくてさぁ、高校からしてた貯金が役にたったってね」 「悪いよ、私ギターやめようとしたのに。」 「だからこそよ、私はあんたのギターも歌も好き、諦めてほしくないの」 姉ちゃん。 「やり直すなら、その思い出がパンパンのギターより、新しい想い出スカスカのギターの方がはじめやすいでしょ」 「うん、ありがとう。姉ちゃん!」 大切に使うよ
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