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(あぁ、暑い……)
(どのくらいまで来たのだろうか……)
少年は、砂漠の果てを探すように、ゆらゆらとゆれる陽炎を見つめた。
(目がかすむ……喉が渇いた……)
少年の故郷、グノス王国は、数日前、隣国ポレモス王国が突如攻め入ってきて、あっという間に戦火に焼かれた。
少年の暮らしていたシスラ神殿は幸い王都から離れていたため、すぐに攻め入られることはなかった。
そのわずかな時間を突いて、神官カストルはシスラ神殿に代々伝わるウリエル神の像を少年に託した。
砂漠に入るまで2日、砂漠に入って3日。
少年がグノス王国から逃れる時、神官カストルは出来る限りの食料を分けてくれた。
しかし、砂漠に入って一度も水を調達できず、少年は極度の脱水症状だった。
少年は、次の一歩を何とか踏み出した。
瞬間、地平線まで続く青空が回り、足元の金色の砂の中に倒れた。
サァッーサァッー
(あぁ…砂が熱いっ……)
(な、なんだ……!!)
砂漠の砂がさらさらと、一点に吸い込まれていく。
(身体がっ‼砂に沈む……‼)
少年は、必死に砂を掴み、引きずり込まれまいともがいたが、そのまま流れる砂の中へ流れ落ちていった。
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