序章 砂漠の神殿

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トプトプトプ……… (ん……) 少年は目が覚めると、目の前には白い床が広がっていた。 (頬がひんやりして気持ちいい……) (ここは……?確か、砂の渦に呑み込まれて……) 少年は、ひんやりとした床に手をついて身を起こすと、あたりを見回した。 見上げるような高い天井、石灰石で出来た白い柱、少年は入口に倒れていたらしい。 少年の目線の先には、大きな白い翼を広げた天使の絵が壁に描かれている。その前には、祭壇があった。 ここは、少年の良く知る神殿だった。 トプトプトプ…… 音のする方に目を向けると、祭壇の左手には、小さな噴水があった。 (水だっ……‼) 少年は、ふらつく身体で噴水に近寄った。
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