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(すごい……幻想的だ……)
ユーノア神殿、本殿に通されたファラトは思わず目を見張った。
翡翠で出来た柱や床がわずかに光り、少しずつ色を変えているように見える。
ファラトとアザンが祭壇まで進み出る。
「セイレーン様、ヘオース神殿、護衛長、アザンです。」
「グノス王国、シスラ神殿よりウリエル神の像を託された、ファラトです。」
アザンにならい、ファラトも膝をつき頭を下げると、祭壇で静かに目を閉じていたセイレーンが振り返った。
シャラン……
翡翠の腕輪を鳴らし、セイレーンは薄紫の裾を引きずりながら階段を下りてきた。
「お二方とも、よくぞ参られました。面を上げてください。」
「突然の訪問となり、申し訳ない。」
「構いません。そちらの少年、ファラト……でしたか……グノス王国が災厄に見舞われ、さぞお辛いでしょう……」
セイレーンは、痛ましげにファラトを見つめた。
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