3.ミカからの挨拶

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 同じカラスからも褒められたことなんてないし、人間なんてもっとない。  ありがとう、っていいたくて、思わず鳴く。 「カァッ(ありがとう)!」  子供ならびっくりしそうな鳴き声だけど、ミカはふふっと嬉しそうに笑みをこぼした。 「お礼かな? ありがとう」  決して、ボクに手を伸ばしてくることはないけれど。  風がふいたら、なんだかミカに頭をなでられたような気がして。  首元をすいすいとミカの爪がなでるように動いた気がして。
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