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「カーくん、昨日ぶり!」
「カァ(おはよう)」
一回鳴いて、頭を軽く上下に動かす。
ミカも微笑んで頭を下げた。
「昨日のパンは……まだあるよね。明日くらいに新しいの持ってくるから」
「カー(ありがとう)」
いつもミカはそうやって気を遣ってくれる。優しい。
「あれ、マツモト!」
「え……」
男の子の低い声がして、ミカは顔をこわばらせながらゆっくり後ろをふりかえった。
少し離れたところに、その子は立っていた。
襟のついた白いシャツ、ミカと同じカバン、ミカと同じ靴。
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