2.ボクとミカ

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 前は四枚切りとかいう食パンを持ってきていたけど、六枚のほうが枚数が多いからといってそっちに変えてきた。おひとよしって、ミカみたいな人のことをいうのだろう。 「どうぞ。今日は他のカラスさんたちいないの?」 「カァ(そうだよ)」 「そうなんだ。ひとりじめできちゃうねぇ」  クスクス、ミカは言葉にしない笑い声をあげる。  その笑った顔は、子供のように明るくて、純粋で、声もどんな騒音の中でもすぐ聞き取れるくらい高いのに通る声で、ボクは好き。
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