5.カラスである事実

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「なぁ、カー吉。オレはお前まで失いたくない」 「その呼び方はやめろ。ボクはカーくんって名前なの」 「ミカの呼び方がお気に入りなんだなぁ、カー吉」 「ダサいからやめろってば!!」  人間のことはわからないけれど、カラスは――特にボクみたいに、ゴミでも何でも食べるというわけじゃない場合は、他のカラスよりも生命力は低いとおもう。  マイクのように、なんでも食べて、どこへでも行くカラスとは違って。 ボクは、ボクがカラスであることを、理解してはいるけれど……。  そうだと認めたくない気持ちも、生意気なことに持っていた。
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