6.ミカが危ない

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 マイクと共に、本通りの商店街の裏側にある空き地近くのフェンスに降りた。  そこには、ミカを囲むようにして女の子や男の子がいた。  ――あの、ナバと呼ばれていたやつも。 「マツモトさーん、ナバに色目使うのやめてよねえ」 「この女、地味そうに見えて胸でけーし、一回やってみたいんだよなあ」 「ナバったらやだー、ここでするつもりー?」  ボクには、その言葉たちはミカをいじめていることがはっきり分かった。  ボクとしゃべるとき、嬉しそうに笑うミカが、あんな暗い顔をしてうつむいて、空を見ようともしない。 「…………」
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