ローストビーフ

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「佑。じゃあちょっと先生の話聞いてくるね。 本当に一人で大丈夫? 」 春は椅子を用意してくれて 狭川さんが眠るベッドの 横に置いてくれた。 「おう。大丈夫。」 頷くと ニコッと笑みを浮かべ 春は病室を出て行った。 精神状態を心配して 春はお見舞いに行くのは また今度にしようと行ってくれたけど。 やっぱり行きたいと我儘を言い 連れてきて貰った。 そうでもしないと 春が戻らないというのもあるし それに ちゃんと謝りたいと思って。 でもタイミングが悪かったのか 堺さんと京本さんは所用で出ていて 春が連絡して戻ってきてくれる事になった。 外には警護の皆さんがいるし 病室で待たせて貰う事にしたけど ちょっと 図々しかったかな。。 狭川さんはまだ意識が戻らない。 個室の広いベッドの上で安らかな呼吸を 繰り返している。 椅子に座り 辺りをそっと見渡した。 ホテルかと思うくらいの綺麗な病室。 テーブルの上には 沢山の花が飾られていて いい匂いが室内に漂っている。 静かだな。。 大きな窓があり 立ち上がって外を眺めると ここは高台に建つ病院で 遠くに海が見えた。 あの海のそばで親父は働いてたのかな。。 なんで横浜に来たんだろ。 その辺は誰も理由は知らないらしい。 じいちゃん 結構頑固者だったから 若い頃は上手くいかなかったのかな。 親子が仲が悪いのは悲しい。 でも。。一度くらい 親子ゲンカとか やってみたかったけど。。
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