豆乳

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身体が熱い。 熱が出ているのかもしれない。 布団をかけ 風呂場に戻り びしょ濡れの服を脱いで 洗濯機に放り込み タオルで拭いて ハンドタオルを何枚か掴む。 服を着て 台所へ行き ボウルに氷と水を入れ タオルを浸すと 佑さんの部屋に戻った。 タンスから 服を出し 脱力する佑さんへ着せ 額に絞った冷たいタオルを押し当てる。 腫れた頬にそっと掌をあてると 気持ち良さそうに 佑さんは無意識にすり寄った。 その子供のような様子に腹の底にどす黒い感情が ぶすぶすとまた疼き始める。 一体何があった。 どう見たって同意じゃない。 物のように扱われたのか。 最後まで達させず 甚振るように。。。 唇に強く噛んだ跡があり 血が滲んでいる。 頬は腫れ 殴られた形跡。 抵抗して 力尽くで。。 想像し 怒りで目が眩む。 何度もタオルを替え 汗でびしょ濡れになる シャツを着替えさせた。 ピクッと身体が揺れ 布団から細い腕がそろそろと 出て タオルを額に乗せた手を力なく握られる。 「・・佑さん。大丈夫ですか。」 瞼がふるふると動き そっと目が開いていく。 ぼんやりと天井を見上げ ゆっくりと俺に視線を ずらすと 目を細め 微かに頷いた。 良かった。 意識が戻り 少しホッとする。
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