豆乳

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春が店のシャッターに臨時休業の貼紙を貼っていると 「なんだ。来ないなと思って心配して来てみたら 休みか。佑。どうかしたか?」 声がする方へと振り返ると 修さんが 手にビニール袋を持ち 駆け寄ってくる。 「おはようございます。」 頭を下げると 心配そうな顔つきで 問い詰めるようにもう一度聞かれた。 「佑。どうした。」 「熱を出して。かなり高いので休みにしました。 あの。修さん。。聞きたい事があるんですが。」 修さんなら知っているかもしれない。 「昨日の会合の事か。」 「ええ。それもなんですが。。 白い外車のスポーツカー。心当たりは。」 修さんの顔色が サッと変わる。 やっぱり。 この人は知っている。 「時間。ありますか。」 そう尋ねると 顎をしゃくられた。 店の裏口に周り 鍵を開け 電気をつける。 冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぎ 椅子に座った修さんの前に置くと 修さんは灰皿を引き寄せ 煙草に火をつけた。 「どこで見た。車。」 「家の前です。昨日の深夜。 突き飛ばすように佑さんが車から出されて。。 酷い状態でした。詳しくは言いたくない程度。 その車の所有者に痛めつけられた様です。」 あの野郎。。 修さんは 目を見開き 声を怒りで震わせた。
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