豆乳

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部屋を覗くと 布団に包まり 顔だけ出して 佑さんはぐっすりと眠っていた。 良かった。 起こさないように部屋を後にして 台所に行き 豆乳を冷蔵庫に入れる。 ついでに帰りに寄ったコンビニで買った ゼリーにヨーグルトも。 準備しておくか。。 鍋を出し 水を入れ 火にかけて鰹節で出汁をとる。 これでうどんでも粥でもすぐ出来る。 ここに来るまで料理などやった事が無いが 佑さんが作るのを見よう見真似でやるようになって 最近はある程度は色々出来るようになった。 佑さんの部屋に戻り ベッドの横に座り 様子を眺める。 眉間に皺を寄せ 疲れきった顔を眺めていると 一気に感情が溢れ出してきた。 守りに。 そうだ。 俺は腹を決め この人のそばにいる事にした。 もう迷わない。 汗で濡れた髪を撫でると 佑さんは ん。。と喉を鳴らし そろそろと目を開ける。 「・・春。。」 「大丈夫ですか。」 うん。と頷いた。 俺がいる事に ホッとしたように見える。 タオルで汗を拭い 上半身を起き上がらせ ペットボトルの水を渡すとコクコクと飲み始める。 ああ。そうだ。 「修さんが心配して店に来てくれました。 豆乳貰いましたけど飲みますか。」 豆乳。。 水を飲むのをやめ 嬉しそうに頷いた。 言ってた通り 好きなんだな。 修さんが作る物なら 絶対に旨いだろうし。 「温めますか? カフェオレ?」 コーヒーも好きな佑さんならと提案すると コクンと頷く。 「ちょっと待ってて。」 立ち上がり 台所へと戻った。
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