豆乳

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「美味しい。。」 佑は両手で豆乳カフェオレが入ったカップを持ち ほう。と息をつくと 春は安心したように 笑みを浮かべた。 冷たい大きな掌を俺の額に当てて 首を傾げる。 「だいぶ下がりましたね。良かった。 何か食べますか? 先にこういう方がいいかな。」 みかんゼリーとヨーグルトを両手に持ち どっち?と聞かれた。 ゼリーを指差すと 渡してくれ 目の前に 両拳をグッと差し出される。 「・・なんだよ。」 春は くるくると瞳を回し ニヤッと笑った。 「スプーン。どっちか当ててみて。」 ん。 ニコニコと笑みを浮かべる春をちろっと睨む。 んー。。 「・・こっち。」 右手を指すと 春はつまらなそうに口を尖らせ 手を開く。 プラスチックの小さいスプーン。 おお。当たり。 っつーか 手 デカイな。。 「はい。俺の勝ち。」 スプーンを取り 包装を剥がしてゼリーを掬い パクッと食べた。 「当たらなかったらどうなんの。」 ふと思い そう聞くと 春はニヤニヤ口元を緩め 「俺が食べさせてあげるんです。あーんって。 また やりますからね。次は勝たないとな。」 へ。 顔が ボッと熱くなる。 春はくすっと笑い ヨーグルトを持って 部屋を出て行った。
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