ローストビーフ

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狭川さんと春の間に何があるのかわからない。 話せばわかるなんて簡単なものじゃないのかも しれないけど 親子が仲違いしているのは やっぱりいい事じゃねえよな。。 特に狭川さんはあまり体調が良くなかったらしいし 今回もかなり回復が見えるにしろ 一時は相当危なかったって聞いてる。 春には後悔して貰いたくない。 ちゃんと向き合って 狭川さんを息子として 本当は 支えていかないといけないんだよな。。 だけど。。。 「ゆ・・う・くん・・。」 か細い声が聞こえ 振り返ると狭川さんが 薄く目を開け 俺を見ていた。 「狭川さん!」 ああ。良かった。 意識 戻ったんだ。 「狭川さん。大丈夫ですか?」 急いでベッドに近づき そう聞くと 狭川さんは弱々しいながらもしっかりと頷いた。 「あの。今すぐ誰か呼んできますね。 春、先生の話聞きに行ってるんで看護婦さんに。。」 そう言うと 狭川さんは小さく被りを振る。 ベッドの横に置いてある椅子へ目を向け 小さく頷いた。 ・・座れって事かな。 いいのかな。。と思いつつも 言われた通り 椅子に座る。 狭川さんは 俺の顔をしばらくじっと見つめると 「・・何か・・あり・ましたか。」 心配そうな表情を俺に向けた。
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