ローストビーフ

9/32
前へ
/540ページ
次へ
「お帰りなさいまし!」 お帰りなさいまし!と全員が続き 頭を下げる。 一番前の中心に座る 高そうなスーツを着た 眼鏡の男性が そのまま口を開いた。 「佑さん。この度は多大なご迷惑を おかけ致しました事 心よりお詫びします。 大変申し訳ございませんでした!」 申し訳ございませんでした!と皆さんが また後に続き 更に床に擦りつけるように 頭を下げる。 いやいやいやいや。 「あ。。あの。止めてください。 すいません。皆さんに迷惑をかけたのは 俺です。本当に申し訳ありませんでした。」 深々と頭を下げると 皆さんは慌てて いや。マズい。止めさせろ。とアワアワ焦り始める。 春は苦笑いを浮かべながら 俺の肩を抱くと 「佑が謝ると コイツら困っちゃうみたいだから。」 と 頭を上げさせた。 いいのかな。。 でも 確かに皆さん ホッとしたように 顔を見合わせている。 「神宮寺。お前まで どうしたんだ。」 春が眼鏡の人に そう声をかけると 神宮寺と呼ばれたその人は 申し訳なさそうに 春に向かっても頭を下げた。 「坊。申し訳ありませんでした。 京本兄貴から 護衛配置を言いつかり人選したのは 俺です。あの野郎。是非やらせて欲しいっつうんで 入れたんですが。。完全に俺のミスです。 すいませんでした。 」 周りの人達より着ている物や 口調 何より 纏うオーラが違う。 ふと気づくと 一番後ろに 神妙な面持ちで 翔が座っていた。 神宮寺さんが 座っている皆さんのリーダーって 事なのかな。ヤクザの仕組みを知らないから よくわからないが 確かに皆さん 俺たちくらいか もっと若そうだ。 「あ・・あの。皆さん。もしかして 俺の護衛や 商店街の張り込みをして下さってる方々ですか?」
/540ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3113人が本棚に入れています
本棚に追加