豆乳

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「じゃあ。ちょっと行ってくるわ。 悪いけどよろしくな。大和。時間来たら帰れよ。」 佑さんはそう言って 中休みの仕込みが終わると 店を後にした。 この街でやる祭りの打ち合わせがあるらしい。 商店街は毎年出店をいくつか出していて 佑さんも毎回頼まれ 参加しているし 今年はいつもより規模が大きく かなり早めの 準備が必要なんだとか。 佑の後ろ姿を見送って 大和は ちらっと春へ視線を向けた。 なんかあったのかな。。 佑さんが少し元気が無い。 春さんにそれとなく聞いてみたんだけど 「さあ。。すいません。わかりません。」 って言われて。 でもきっと何か知ってんだろうなと思った。 あの寄り合いからじゃないかな。。 それにちょっと嫌な噂を耳にして。。 ツレの守は商店街の端にある薬局の息子で 親父が近所の人と話しているのを聞き 電話をかけてきた。 「大和。知ってるか? なんか今 起こってる 商店街の地上げ。佑さんのせいかも しれないって。。」 「はあ? なんだよそれ。そんな訳無いだろ。」 うーん。と守は唸り声をあげる。 「なんかよくわかんないんだけど 佑さんの親が昔 ヤクザに脅されてて それが原因なんじゃないかって。」
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