豆乳

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「俺。あの人大っ嫌い。昔はそんなでもなかったのに 官僚になったからか 態度が横柄で。 最近顔見なかったから もうこっちには居ないんだと 思ってたんだけど。。。 まだ佑さん。付き合いあるんだな。」 腹立ち紛れにそう口にすると 春さんは 首を傾げた。 まあ。説明しなきゃわかんないよね。 「佑さんの同級生。矢島尚之。 頭良くて顔も良くて 実家は金持ち。 女の子がキャーキャー言うタイプ。 年が離れてるからあまりよくは知らないけど すごい人気だったって評判でさ。 一番の大学行って官僚になって よく親が自慢してるってうちの母ちゃんが言ってた。 俺みたいな頭良くない奴とか見下して 口聞くのもやだとか思ってんじゃない。 佑さんは頭良かったからな。 矢島先輩にしたら 同級生の中じゃ佑さんくらいしか 話すに値する人居ないんだろうけど。 ああ。あと崇さんか。崇さんはあの人のパシリ。 顎で使われてさ。未だに矢島先輩の言伝持って 佑さんに話に来たりしてて。 最近 無かったから 縁切れたのかと思ってたのに。」 説明しながら どんどん腹が立ってくる。 ふと見ると 春さんは複雑な表情を浮かべ 何か考えていた。 「春さん? 大丈夫だよ。別に気にする事ないから。 あの人 誰にだってあーだからさ。」 さっきの態度に気分を害したかと思い そう付け加えると 春さんは首を振る。 「気にしてませんから。あ。大和さん。 時間大丈夫ですか。」 え。 時計を見ると 帰る時間だった。 今日は親戚が来ていて 帰りを待っている。 ヤバイ。 急いで洗い物を全て片付けた。 佑さんの顔 見たかったな。 またなんか揉めてないといいけど。。 エプロンを外し カバンに入れて 「ちょっとしばらくバイト入れないけど 春さん。 佑さんの事よろしくね。」 レポートだテストだなんだで 中々バイトに入れなくなる。 さっきの話も含み 頭を下げると 春さんは はい。と頷いて 「お疲れ様でした。」 安心させるように 微笑んだ。
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