豆乳

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情けない。 それでも 出来るだけ気にしないように していたらこれだ。 面と向かって迷惑だと言われ 流石に普通にはしていられなかった。 実際に迷惑かけている。 俺の事で親子で揉めさせて 申し訳ないし。。 時間。 遅くなったな。。 足取りがどんどん重くなる。 こんな顔してたら 余計心配させるし。 ダメだ。 パンパンと頬を叩いて 路地を曲がると 電気の消えた店の前のガードレールに 春がポツンと座っているのが見えた。 なんだかすごくホッとする。 遠目でもわかるくらい 春はニコッと笑みを浮かべ 立ち上がった。 やっぱり待っててくれたんだ。 きっとロクな話になってないって思ってたんだろう。 「先に家帰っとけって言っただろ。」 意地を張り そう言うと 「でも 一度はこっちに戻ると思ったんで。」 春はそう言って 近づいてくる。 ああ。 ヤバイ。。。 コイツといると気が緩む。 「・・佑さん? 大丈夫ですか。」 顔を覗き込まれ 無理矢理笑みを作った。 「何が。大丈夫に決まってんだろ。」
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