豆乳

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ホテルの部屋に入り ドアの前で立ち尽くす。 尚之は椅子に座り 煙草を吸いながら ジロッと俺を睨んだ。 「佑。そんな所で何やってんだ。」 「・・話がある。」 覚悟を決め そう口にするが 尚之は取り合わず 立ち上がって ツカツカと俺に近づくと手首を取り ベッドまで無理矢理引っ張っていって 俺をドンっと突き飛ばした。 すぐに覆い被さってきて 必死に腕を突っ張る。 「な・・尚之。話があるんだって。。止めろ。」 「終わったら聞いてやる。」 口が近づいてきて 逸らすと あからさまに蔑むような目を向けられた。 「・・あの犬コロか。」 グッと胸が詰まる。 「あ・・アイツは関係ないし。なんでそんな事。」 「じゃあなんだよ。」 肩を押さえていた手が緩んだ隙に 急いで身を起こし 「もう。。。こういうの止める。別れたい。 お前は付き合ってるとか思ってないだろうけど。 会うのもこれきりにするから。」 はあ? 尚之はバカにしたように 笑い出した。 「何言ってんだよ。お前 俺がいなくて やっていけるのか。今 例の地上げ絡みで 変な噂になってんだろ。お前が原因だとか何とか。」 な・・。 何でそれを。
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