夏をご存じない

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 秋が一足早くきたような朝だった。  空気は澄んで冷たく、長袖のシャツを着て出かけても、気詰まりな思いをせずにすみそうだ。  夏が楽しいなんて思ったことは一度もない。私は肌が荒れやすく、首元や肘の裏は人目に晒せない。水着などもってのほかだ。  私は自分の、知夏という名が嫌いだ。
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