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高塚が声高らかに終了を宣言。
「……………………」
一瞬の静寂。
そして、
「うおぉぉぉぉぉ!」
「すげえぇ!」
「なんだよさっきの挙動、初めて見たぜ!」
拍手喝采の嵐が校庭を襲った。
同期たちが、興奮して叫んでいる。中には声も出せず驚愕の表情で固まっている者もいる。
高塚の後ろに控えていた指導員たちも口をあんぐりと開け、唖然としていた。
「まったくお前という奴は。私好みの表情をしていたからなにを仕出かすのかと思えば……大したもんだよ」
高塚は声を弾ませながら蒼へ歩み寄ると、彼の髪をわしゃわしゃと豪快に撫で回した。
彼女は蒼の変化に気付いていたのだろう。そしてそれがどんなものか知りたくなった。蒼の顔がやる気に満ち溢れていたからこそ、あえてこの対戦カードにしたのだ。
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