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中二の夏休み中、たった一日の登校日。クラスで比較的仲の良い水島はいつになく浮かれた様子だった。傍目にも何か良いことがあったのだろうと想像出来る位に。
日焼けした肌に、止まらないニヤニヤ笑い。ちょっと気持ち悪い。仕方がないので、聞いてくれといわんばかりの表情に答えてやることにした。
「何かあった?」
「おっ、聞いてくれる?聞いちゃう?ジャンジャーン!」
腰に手を当て胸を張り得意気な表情の水島に、その話を聞く前からウンザリしそうだった。
「なんと!この水島省吾、彼女が出来ましたー!」
「へぇ、オメデト。で、その悪趣味な彼女って誰?」
そんな茶化しも気にならない位、水島は幸せそうだった。
「へっへっへー、聞いて驚くなよ?なんと、川上陽菜乃ちゃんデース!」
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