浴衣と彼女と花火大会

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「夏美センパイ…?」 『何、華澄ちゃん?』 華澄ちゃんが高校生になって、数ヶ月経過した7月中旬。 帰りの電車でのこと。 「1個、お願いがあるんですけど…。」 『わたしに、お願い…?』 「はい…。」 華澄ちゃんが、珍しくおねだりしてきた。 (ちなみに、平日は学校モードで先輩後輩仕様。 呼び方も、話し方も違います。) 『珍しいね。何、お願いって…?』 「あの……。夏美センパイと一緒に、その…S市の花火大会に行きたいんですけど…。」 『花火大会?』 「はい…。ダメですか…?」 心配そうに見上げる、わたしの可愛い彼女。 『いいよ、一緒に行こう♪』 「えっ!いいんですか?本当に…?」 『えっ?逆に、何でそんなに恐る恐るな感じな訳?』 「だって、高校の最寄り駅の花火大会だから、夏美センパイ、知ってる人いっぱいいるでしょうし…。」 “そっか…。 華澄はそれを気にしていたのか。 別にそんなこと、気にしなくていいのに…。”
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