メイ

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 部屋の隅に安置している亡骸に歩み寄り、そばで膝を折って、そっと撫でてやる。 「また、助けられちゃったな……」  あの子に出会った日から、私はちっとも成長できていない。  ――こんなことじゃ、いつまで経ってもメイが安心できないじゃない。  もう一度、涙をぬぐった。  私は弱虫で意地っ張りだから「思い出を胸に前だけ向いて生きていく」だなんて大きなことは言えない。  後ろを振り返ってしまうことも、あの子が恋しくて涙する日も、きっとあるだろう。  けれど、私なりに歯を食いしばって、懸命に生きていこうと思う。  またいつか、あの子に逢えるそのときを、笑って迎えられるように。
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