ながいかくれんぼ

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ながいかくれんぼ

 こどもの頃、弟とよくかくれんぼをした。  いつも家の中を探し回って、時間がかかってもおしまいにはクローゼットやベッドの下に隠れた弟を見つけだして一緒に笑いあっていた。  それなのに、今はどこを探しても、いつまで経っても弟が見つからない。  そんな悪夢から覚めて額を手の甲で拭う。じっとりと汗をかいている。  そのまま起き上がることもせず、まだ真っ暗なテントの天井を見てぼんやりと弟の事を思い出す。  あの子がいなくなったのはもう随分昔で、そう、もう少しで見つかるかと思った。  現実というのは無情だ。あの子は僕の前からだけでなく、この世界からいなくなってしまった。  もう二度と会えない。首にかけている遺髪のネックレスを握った。
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