知ってしまった

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7

知ってしまった

私は、あの子。 それを知った日は今も忘れられない。 夜がきたら二度と明けないんじゃないかと思えるくらいに私は真っ暗闇の中にいた。 でもショックを受けてる場合じゃなかった。 知らないフリで笑ってかあさまと過ごさないと。かあさまと一緒にいられなくなっちゃう。 それがわかるくらいには大きくなっていた。 きっかけは本棚の後ろに押し込められたしわくちゃの紙だった。 引っ張り出してみるとそれはいわゆる新聞紙で、見るのは初めてじゃなかった。 かあさまはたまに新聞を買って読ませてくれた。 面白くて、私はもっととせがんでた。 かあさまは微妙そうな顔でたまに買ってくれてた。 たまに。 毎日どこかに出かけるのに。 なぜだかは考えたことがなかった。 どこに行くのかそこまで気にしてなかった。 少し知ってしまえば、全てが知りたくなる。 私は気をつけながらそっと全てを読んだ。 そして知ったのだ。 私は、あの子だ。
/7

最初のコメントを投稿しよう!