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「くっそお、アイツら何のために密猟……はっ!」
イヤな想像が沸いた。
拘束し、命乞いする猫達の毛皮をはぎ、ノコギリで生体解剖し、丸焼きにして食――いや、丸焼きにしても脂身ばかりで美味しくないだろう。
恐らくは密売目的だ。何にしろ、早く突き止めなければ遠くへ連れ去られてしまう。
更なる手がかりを求め、おまきはピエモンテが拉致された空き地へ向かった。
「しっかし腹へったわあ……」
キュルルと鳴る腹を抱えて空き地に到着し、辺りを調べているうちに良い匂いが流れてきた。
「おっ、こ、これは……」
嗅ぐほどに鼻から腹へ染み込み、一息ごとにヨダレが滴りそうな勢いで沸いてくる。
ああ食べたい。どこで焼いているんだろう。
たまらずキョロキョロ探すと、資材の陰に丸々とした立派な焼きサンマが落ちていた。しかもアブラがのっていて、艶々と輝いている。
「うわぁお……」
こんなところに焼きサンマなぞ非常に不自然なのだが、それを怪しむ余裕も許さないほど、香ばしい香りが鼻腔と胃袋をコチョコチョしてくる。おまきは周囲に狙っている輩がいないのを素早く確認してから、理性をかなぐり捨てて焼きサンマへ飛びかかった。
「あひゃあーンがダアッっ!」
思い切り伸ばした前足のツメがサンマにかかる寸前、サンマは急に跳ねて逃げた。
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