北斗と七星

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 北斗は一度机に放ったデザイン画を丸めて、瑛士の頭をパカンと殴って睨みつけた。  身長は174㎝と平均くらいしかないが、顔が小さく手足が長い北斗は実際の背よりは高く見える。    だが、通った鼻筋の両側にある、少し吊り上がった色素の薄い茶色の大きな目で、どんなに藪睨みされたとしても、きれいさに凄みが加わるだけで、怖くもなんともないのが事実だ。  綺麗だと言われることが大嫌いな本人にそれをいう訳にもいかず、瑛士はおお怖っと肩を竦めてみせた。   「木村さん、嘘ばっかり!三沢さんが睨むとヴォーグのモデルみたいに迫力があって、美人度アップするから、私たち女子でも見惚れちゃうんですよね~」    そう、そう、壮絶きれい!と周囲から声が上がった。言い返したりすると余計に反論が返ってくるのは経験済みなので、北斗は無表情でドスンと椅子に腰を下ろす。 「26の男に美人とか壮絶きれいとか言うな!くそムカつく」  隣にいる瑛士にしか聞こえない悪態を吐いて、北斗はCADに向かって部屋の模様を変更し始めた。  
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