北斗と七星

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 瑛士の時は10ある部屋全てに違うお花畑のコンセプトだったらしいが、今度は各部屋ごとに色違いのオーダーが来た。  統一感を出すために、各部屋ごとに濃淡はつけるが、同系色でまとめるプランでオッケーをもらってデザイン画を持って行ったのだが、今日は部屋ごとに全く違う色の気分だったらしい。色彩も、青やベージュだけではなく反対色も欲しいと言い出した。 「そうだわ!反対色の赤を使うなら、朝焼けとか夕焼けの部屋も作ってグラデーションをつけてもらおうかしら……」  どんなんだ!と北斗は心の中で叫んでいた。そんな部屋に居て落ち着くわけがない。実際に色を塗り始めたら、クレームが来て、プランから練り直しになるに違いない。  それを遠回しに言っても、自分の意見に固執する水穂には届かなかった。  それで会社に帰ってきてからも荒れていたのだが、画面上の部屋に色を付けながら、北斗はあっ!と思いついた。  そうだ迷彩色の部屋とか、唐草模様の部屋とかの案を出して、あちらから見限ってもらえばいいんだ!  途端にやる気が出た北斗は、ふっふっふっと笑いながら、ビッグバーンの爆発をイメージした部屋を画面に描きだした。  ついに頭がおかしくなったかと心配した瑛士が画面を覗き込んだ途端、小さくええっ?と声を上げたのを無視して、北斗は心の中でIC舐めんなよとつぶやいたのだった。
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