Love at first sight

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 高価でもいいから売ってほしいと打診して、交渉が成立した時に、受け取りにいくと言えば【魅来】に会えるだろうか?何だか楽しくなってきた。  さすがに男の自分が人形を買いたいと言えば、作者に警戒心を持たれるといけないので、ポーセレンドールの教室のお問合せ欄に、母の名前を借りて【魅蕾】の男性の人形を買いたいと入力して、使い捨てメールアドレスを添えた。  文面を見直しながら、拓真は彼女に会ったら、一体だけ作った男性人形のモデルが誰なのかを聞いてみようと思った。  兄弟だろうか?それとも【魅蕾】を男性にしただけだろうか?  それでも、この人形が手に入るなら、モデルが女だろうと構わない。  時計を見ると、もう23時を回っている。陶器メーカーの教室ならメーカーの営業時間に合わせているはずだから、【魅蕾】からの返事は明日以降になるだろう。  拓真はすぐに連絡がつかないのを残念に思いながら、パソコンの電源を落とした。
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