最悪の出会い

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「そんなに変な部屋ばかりデザインして、首になったりしないの?」 「ああ、大丈夫。というか、その煩いマダムに見限られるために、わざと悪趣味なアイディアを持っていったのだけれど、気に入ってしまったんだ」 「ええ~~~っ!?本当に唐草模様やキープアウトの部屋を作るの?っていうか、そんな壁紙あるの?」 「特注でできるんだな~。これが!ほんと最悪だ。俺がデザインしたってずっと語り継がれるんだぜ。趣味が悪いと思われて、他から仕事の依頼が来なくなったらどうしてくれるんだ?」  七星が助手席で笑い転げるのを、幸せな気持ちでちらりと見ると、北斗は開いている場所に車を止めた。  地下から店内に入るエレベーターがあり、箱の中に1階から7階まで、どんなアンティークが置いてあるかが記された案内が貼ってあった。 「成瀬さんに人形を渡したら、このお店の中を見学したいわ。ポーセレン人形の背景に使える小物があるかもしれないし、面白そうだわ」
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