272人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
最悪の出会い
北斗は七星を助手席に乗せて、成瀬夏海が指定したアンティークショップの屋上にある空中ガーデンカフェに向かって運転をしていた。
七星から成瀬夏海は生徒かもしれないと聞いて、電話をかけてもらったのだが、本人は人形を頼んでいないということだった。
同性同名の別人だと分かり、それなら尚、女性を相手に商談するには七星がの方がいいと説得して連れてきた。
それでもためらう七星が、北斗の人形を自分の作品として渡すのをためらうので、北斗が考えてみてごらんと続けた。
「いきなり男が、自分とそっくりの人形を持ってきて、どうです素晴らしい出来栄えでしょうと勧めたら、さすがに気持ちが悪いだろう?会社主催のドール教室のサイトに写真をアップしたのは七星なんだから、責任とってくれよな」
「分かったわ。でも、どうして、Misawaの教室に受け取りに来てもらわなかったの?今日はポーセレン教室は休みなんだから、空いている部屋で渡せたじゃない」
「だけど、今日のボーンチャイナの絵付け教室に、ポーセレンの生徒が来ていたら、いつも非売品と言っている人形を、目の前で売るのはやばいじゃないか」
最初のコメントを投稿しよう!