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「僕がこっちの田舎に来た時には、いつも遊んでたでしょ? いっしょに虫とりしたり、川で泳いだり…覚えてないの?」
「さぁ……」と、母親が口にして、
「だいたい、あの子って誰なの? 名前はなんていうの?」
そう尋ねると、タケシの方も、「名前……なんていったっけ?」と、考え込んだ。
「名前も覚えてないんじゃ、あの子なんて本当はいなかったんじゃないのか?」
父親が言うのに、
「……おかしいなぁ…」
と、タケシは呟いて、
「そうだ、写真あったでしょ! アルバム見ればわかるよね?」
母の実家で撮った写真がストックされているアルバムを引っ張り出した。
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