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ページをめくり、一枚一枚見ていくけれど、あの子の写真はどこにもなくて、
写っているのは、タケシ一人だけだった。
「……おかしいなぁーいたような気がするんだけどな……」
めくってもめくっても出てこないあの子の写真に、ぱたんとアルバムを閉じて、
「……やっぱり、あの子なんていなかったのかな?」
と、口にした。
「いなかったんじゃないの、本当に。小さい頃の記憶なんて曖昧なんだから、きっと勘違いをしてるのよ」
母親に言われて、
「そうか…」
と、タケシは頷いて、
「……東京の友達とごっちゃになってたのかな」
と、返した。
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