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ぐるぐる回る世界に笑顔の彼女が浮かぶ。
奈緒…
目を開けると…
砂に打ち寄せる…
!!
しょっぱ━━━!!
いっぺんに覚醒して飛び起きた。
途端に何かに引っ張られて倒れ、またしても塩辛い水を飲む。
犬のように頭を振って顔をあげ、『存在』を思い出した。
「先生!起きろっ!!」
「…うぅ…」
鞄の取っ手を掴む手が動いて、彼が生きていることに安堵する。
「起きろって!」
肩を揺さぶると、海水を飲んだ先生が激しく咳をしながら吐いた。
「大丈夫?」
「うぅ…頭がくらくらする…僕、乗り物に弱いんだよ…参ったぁ…しかもナンデ海ん中なの?」
彼が波間に座り込んでいる間に、僕は周囲を見回した。
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