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カランコロン、ドアを開けると店内に音が響く。
「いらっしゃい。」
いつものように声を出す。
目があったお客は女性だった。
「あ...ここ─」
「恋の相談所“ルル”です。どんな相談でしょうか?」
「あ、え~と...」
まぁ、どうぞ
と客を椅子へ案内し、もうすっかり慣れてしまったフレーズを口にする。
「相談料を頂くことになっているのですが、よろしいですか?」
「え、もちろんです。」
「ならよかった。どういう内容で?」
「...えと─」
ひとしきりの相談を終え、あとはちょっとお客さんに魔法をかける。
「そうですか...ですが、僕に相談したことでその恋は叶いますよ。」
「本当ですか!?」
「ええ。」
「相談料...いくらですか?」
来た。この質問がきたとき、僕は必ずこう答える。
「─相談料はあなたの大事な物を頂きます。」
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