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恋の相談所
「ねぇねぇ知ってる!?あそこのお店!」
「知ってる!ヤバいよね!」
キャピキャピした女子高生を横目に、彩は歩きだした。
平手 彩。25歳。
セミロングの茶色い髪。
薄いピンク色の唇。
少し細めな瞳。
美人ではないが、可愛い顔だ。と親だけでなく友達にも言われる顔立ち。
そんな可愛い顔のおかげで、学生時代は十数回は告白されたことはあったが、どの人も彩のタイプではなかった。
「あ~やっ!何してんのよ!」
肩を叩いてきたのは
浜谷 花梨。
童顔な彩とは対照的な、美人。
「花梨...聞いてくれぇ~!」
花梨にギュウと抱きつくと、花梨は心配そうに彩を除きこんだ。
「どしたのよ?」
「実はさぁ...
この『君に会いたい、』っていう...恋愛ゲームでさぁ、
桐島君にフラれたんだよぉ~!!」
『君に会いたい、』は恋愛ゲームの中の新星と言われていた。
今までの恋愛ゲームとは違い、なかなかクリアさせてくれない。
「はぁ、心配して損したわ。
よりによって恋愛ゲームだなんて...
まぁ、彩は恋愛ゲームの桐山がタイプなんだよね?」
「“桐島”君!あのシャープな目...
あのツンデレ加減...たまんないよぉ!」
「そんなに桐島君を落としたい?」
「もちのろんよ!」
「古いわよ...彩。
そんなに桐島君を落としたいなら
恋愛相談所に行きなさいよ。」
「はぁ!?恋愛相談!?」
「恋愛相談所『ルル』。
あそこに相談すると絶対結ばれるんだってさ。」
「絶対かぁ...」
「その代わり相談料はバカ高いらしいけど。そんなアホっぽい所私だったら何があっても行かないけどね。」
「恋の相談所、ルル...私!桐島君と結ばれる!」
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