バウムクーヘンで午後のひとときを

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何か考えがある?ある程度計画的に出ていったとはいえとても不安定な気がする。 彼女は本当に何処に行ってしまったのだろうか? 矢口はテレビを付けバラエティーをみて笑っている。 「なあ矢口。お前、なんか隠してないか?」 「別に」というとわざとのように足を組む。 そういう仕草のこいつは何かある時だ。 「そうそう。お土産買ってきたよ。バームクーヘンと紅茶」 「それじゃあ、多佳子と会って来たよっていってるようなもんだな…」 「はぁ?」 「どこで買ってきたんだよバウムクーヘン?」 「ドイツだって言ってたよ」 「言ってたって…もっと上手く嘘つけないものかね?」 「俺がドイツに行ってきたんだよ、アイルヒットラー」 「おい、多佳子が何処にいるか教えろ、でないとコブラツイスト掛けるぞ」 「わ、分かった。何で俺が嘘ついてるって分かったんだよ?」 「分かりやすすぎて戸惑うわ」
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